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2021 · 07 · 03 (Sat) 13:07

「ゴルゴ13」 5日に第201巻刊行 ギネス“世界一” 

劇画家、さいとう・たかをさん(84)の劇画「ゴルゴ13」の

単行本201巻が5日、リイド社から刊行される。
「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」のギネス世界記録を持つ
秋本治さん(68)の漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
(集英社、全200巻)を巻数で超え、〝世界一〟の記録を更新する。

今月中旬には、半世紀以上連載する同作史上初のスピンオフ作品も始動。「
気が付けば201巻、ただただ読者の皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです」。さいとうさんが繰り返し語るのは、読者への感謝の言葉だ。

「さまざまな分野に詳しい脚本家や協力者の協力があって、
これまで600話を超えるストーリーを描くことができました。
私ひとりでは描けて10話だったでしょう。
スタッフの分業制もしっかりと機能して、これまで多くの劇画を生み出すことが
できました。
そして何よりも、ゴルゴをいつも楽しみにしてくれている読者の皆さんの
存在あってこその201巻です。感謝しかありません」 産経新聞の書面インタビューに応じたさいとうさんは、
世界記録の更新について、こうつづった。 さいとうさんは昭和30年にデビュー。
制作過程を分業制にした「さいとう・プロダクション」を設立し、
劇画というジャンルを確立した。
43年、青年漫画誌「ビッグコミック」(小学館)で、
国籍不明のA級スナイパー・デューク東郷の活躍を描いた「ゴルゴ13」を
連載開始。連載スタートから半世紀以上。累計発行部数は3億部を超える。 「連載50年もたつと、社会情勢や世の中の価値観などは変化します。
その時々の〝今〟を切り取った作品でもある以上、
そのリアリティーを表現するためにも描写演出的に変化はあったと思います。
ただ、ゴルゴを描くうえで、その時代時代の常識や善悪の解釈には
左右されまいという、特にそれだけは気をつけてきました」

「締め切りは必ず守る」

今年でデビュー65年超。
漫画界、劇画界の第一線で執筆を続けられた理由については、次のように語る。 「まずは心構えでしょうか。私の場合、本質的に仕事としてこの世界に
入ってきたんです。
よく何十年も同じことしていて飽きませんか、なんて聞かれることもありますが、農家が米を作るのに飽きたとか、麦を作るのに飽きたって言ったら
どうなるでしょうか。
私はそんな気持ちで、生業として劇画を描き続けています。
描き始めた当時から、この業界は絶対に伸びると思っていましたからね」 「また、約束を守ることも大事です。締め切りは必ず守る。
かつて誌面が少なかった時代に、いつ連載が終わるかもわからない状況で、
休んだり、締め切りを守らなかったりすることはありえませんでした。
長く連載を続けるためには、これも大切だと思いますね」 「ゴルゴ13」を50年以上連載する中で、さいとうさんは一度も
休載をしたことがなかった。
ところが、昨年のコロナ禍を受け、スタッフの健康を守るために初めて
新作の掲載見合わせを決めた。 あれから1年あまり。執筆や制作スタイルは変わったのだろうか。 「コロナ前では、昼過ぎ頃から仕事を始める典型的な夜型でしたが、
今は効率をさらに上げるため、できるだけ朝からのスタイルに変え、
分業体制で制作しているスタッフに合わせて私も午前中から動くように しています。作品のクオリティーを高めるためにも、
良い効率化を図れているかと思います」 最新201巻の副題は「最終通貨の攻防」。
仮想通貨をテーマにした表題作など3編が収録される。

今後の目票

「続けられる限り、体力が持つ限り描き続けたいです。
『ゴルゴ13』は私の作品であると同時に、読者のものでもありますからね。
いつも待ってくれている読者のために、一話一話ひとつずつやっていきたいと
思います」 初のスピンオフ始動 小学館の「ゴルゴ13」担当編集者である夏目毅さんは、
同作の魅力についてこう語る。 「50年超の歴史がある中で、その時々の時事ネタや国際的事件など常に
新しい要素を取り込んでおり、飽きない。
新聞をめくる感覚で良質のエンターテインメントを楽しめる。
その一方で、(作中の)ゴルゴ自身にはブレがありません。
ゴルゴという軸がしっかりしているからこそ、
(読者は)安心して読むことができるのだと思います」 仕事において妥協をしない。徹底的な準備をしたうえで、責任とプライド、
己の矜持(きょうじ)を1発の銃弾に込める―。
プロ中のプロであるゴルゴ。愛読者の中には、プロとしてのあり方に共鳴する
政治家や会社経営者らも多い。
夏目さんは、ある一定の年齢以上の社会人にとって、
「ゴルゴ13」がコミュニケーションツールや教養になっていると指摘する。 「ゴルゴはその時代の善悪に左右されず、自分自身の価値観で
物事を判断するという〝流されない魅力〟がある。
だからこそ、世代を超え幅広く読み継がれるのでは」

<約束を守る>

今回の取材を含め、さいとうさんが「仕事で大切なこと」などを聞かれた際に
答える言葉だという。 「先生は締め切りには絶対遅れないし、50年以上の連載で休載はコロナ禍の
1回だけ。プロ意識の高さは(『こち亀』の)秋本先生と共通する点ですし、
その姿勢が50年以上の連載、201巻につながったのだと思います」
(夏目さん) 16日発売のビッグコミック8月増刊号では、「ゴルゴ13」のスピンオフが
始まる。半世紀超の歴史で初めての試みという。
本編と同じく、手掛けるのはさいとうさんと「さいとう・プロ」だ。 夏目さんは「再来年には『ゴルゴ13』もビッグコミックも55周年。
伝統と歴史を大事にしながらも、新しいことにチャレンジしていきたい」と
目標を語る。

「漫画界の国宝」

「80歳を過ぎても現役で、連載もたくさんのスタッフも抱えて仕事を
続けている。素晴らしいの一言で、日本の漫画界の国宝みたいなヒトです」 「あしたのジョー」(高森朝雄原作)や「あした天気になあれ」などの人気作を
手掛け、戦後の漫画界を共にリードしてきた漫画家のちばてつやさん(82)は
祝福の言葉を送る。 ちばさんが最初にさいとうさんと出会ったのは20代前半。
「今から60年も前、私がまだ少女漫画を描いていたころです」。
漫画家としてのスタートが同時期だったこともあり、
今も同期生のように感じているという。 劇画家としてのさいとうさんは、60年前から異彩を放っていたと振り返る。 「漫画家は(締め切りに追われ)その場その場を生きるのに精いっぱい。
ですが、彼だけは『これからはこういう時代が来るぞ』と言って、
何十年も先の漫画界のことを考えていましたね。
劇画家でありながらプロデューサーでもあり、先の先まで読んで
仕事をしていました」 「義理堅く、友人思いでもあります。私もよく飲みに行きましたが、
いつでもどこでも仕事ができるように、黒いスーツケースの中に仕事道具一式を
持ってきていたのが印象的でした」 「ゴルゴ13」の魅力について、ちばさんは
「徹底的にスタッフを集め、取材やシナリオなど、あの手この手を尽くして
作り上げている」点だと語る。 「映画を作っている感覚なのでしょうね。
(さいとうさんは)総監督であり演出家であり、脚本家でもある。
そして、主役であるゴルゴには、同じように見えて、微妙に違う〝演技〟を
毎回させているんです。それを、(内容の)質を落とさずに50年以上続け、
読者を楽しませている。本当にすごいことだと思います」 最初の出会いから約60年。さいとうさんは「ゴルゴ13」、
ちばさんは「ひねもすのたり日記」と、
2人は今、同じビッグコミック誌上で筆を執り続ける。 「さいとうさんはいつも元気で、漫画家仲間はみんな
『さいとうさんはゴルゴよりすごいね』と言ってます。
ですが、長い執筆生活で疲れもたまってるでしょう。
オーバーワークで体を壊してしまわないかだけが心配です。
どうぞお体を大事に、これからも描き続けてください」 「ゴルゴ13」といえば、アメリカの富豪の世界を描いたり、
アジアや中東の街並みを描く作品も多いです。
普段 目にしない中東の事情などわかりやすく、テロや組織の動きなど
興味を惹きます。

殺害の依頼だけではなく、警護や移動の保護などの依頼も受ける
お話がありますが、
ホテルの一室から、突然窓の外に一発撃って、
殺害の銃弾をとめたという 意外なシリーズもあり結構面白いです。

特集単行本で読んでいますが、いつまでもゴルゴ13は面白いですね。
<さいとう・たかを> 
昭和11年、和歌山県生まれ。大阪府で育ち
中学卒業後、家業の理髪店を継ぎながら執筆。
30年、「空気男爵」でデビュー。
33年に上京し、漫画仲間との「劇画工房」結成を経て35年、
さいとう・プロダクションを設立。
43年、「ゴルゴ13」を連載開始。
ほかの代表作に「鬼平犯科帳」(池波正太郎原作・原案)
「仕掛人 藤枝梅安」(同)「サバイバル」「無用ノ介」など。
平成15年、紫綬褒章。22年、旭日小綬章。
Last Modified : 2021-07-03

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